認定NPO法人グリーフワーク (GWK) のニュースレター(2008年~2010年)に掲載されたものを団体の許可を得てご紹介しています。

Lost & Found-失くしたもの・見つけたもの記事一覧

シンガポールという国、皆さんはどのくらいご存知でしょうか。「星の国」ともいわれるシンガポールは、淡路島と同じくらいの面積に約459万人(外務省HPより~2008年10月現在)が住み、英語、中国語、マレー語、タミール語などが飛び交う多民族国家です。元は英国の植民地でしたが、マレーシアの一部となった時期を経て、1965年8月にシンガポール共和国として独立しました。日本からは直行便で約6時間半の旅で、東...

シンガポールには出稼ぎ労働者が多く住んでいます。人口459万人のうち約100万人が海外から働きに来ている外国人ですが(かくいう私の夫もその一人)、今回はある外国人労働者に起こった悲劇についてお話します。シンガポールには世界に誇るシンガポール動物園と、夜だけ開園するナイトサファリがあります。私の娘たちも週末となれば夫と出かけて終日楽しく過ごすのですが、中でも特にホワイトタイガーが大のお気に入りでした...

アメリカに端を発した世界金融危機の波はここシンガポールにも押し寄せ、バブル景気に沸いていた市場は一気に冷えこみ始めました。年々上がる一方だった住宅価格も下がり始め、好景気を見込んで高級コンドミニアムを購入した人々は多額の負債を抱え込んだようです。昨年この国がバブルに浮かれているとき、私は一人の女性に出会い、改めて人生の価値は財産ではないことに気づかされました。今回はその女性についてお話します。私が...

皆様、明けましておめでとうございます。日本では寒い毎日のようですが、当地シンガポールは朝晩「涼しいなー」という感じの冬です。日中は30度近くありますが、プールに入ると水は冷たく、子どもたちは震えながらスイミングをしています。日の出と日の入りは年中7時ごろですが、冬は日の出も多少遅くなるようで、子どもがスクールバスに乗る朝7時でもまだ暗く、月が出ています。長年日本で春・夏・秋・冬の四季とともに暮らし...

今日は第三回でお伝えした、乳がんを患った友人Tさんの講演会についてご報告します。『女性のためのライフスキル講座②乳がんと生きるー母として・妻として・私として』は、去る1月29日に日本人会館で開催されました。申し込み開始から間もなく参加希望者が定員に達し、子連れも可としたことから、女性29名、子ども6名の会員が集いました。講座の前半はスライドをもとにTさんの乳がん治療体験を聴きました。私は逐次通訳を...

いよいよ新年度となり、あっという間に新緑の季節となりました。皆さんはゴールデンウイークを楽しまれてひといきついたところでしょうか。今回は3月に訪れたアメリカで感じたことをご報告します。私は毎年アメリカ各地で開催されるカウンセラーの学会に参加しているのですが、今回はその帰りにテキサス州を訪れました。私が独身時代にホームステイでお世話になったお母さん、マギーと5年ぶりに再会するためです。マギーは私が2...

先月6月25日、マイケル・ジャクソンの訃報が世界を駆け巡りました。史上最も成功したエンターテイナーとしてギネスブックに認定されたほどの功績を残したマイケルですが、その私生活は訴訟、ゴシップ、離婚、処方薬依存と波瀾に富んでいました。25日朝、自宅で呼吸停止状態となり病院に搬送されたという一報を聞いて思い出したのは、やはり米国エンターテイメント史にその名を残したジュディ・ガーランドです。1939年の映...

去る9月30日、シンガポール日本人会厚生部主催でグリーフワークの講座をおこないました。今回はそのご報告をします。6月から準備すること4ヶ月。自分が長くかかわってきたテーマだけに、準備はスタッフの研修などできるだけ念入りに行いました。講座タイトルは、『失くしたものは何ですか?見つけたものは何ですか?-グリーフワークのすすめ』としました。自分の喪失体験を振り返るだけではなく、そこで得られたものにも意識...

早いもので、もう年賀状の準備を始める季節になりました。この時期も気温は30℃前後のシンガポールでは突然カレンダーだけが冬になるので、年末に気づいて少々焦りを感じています。最近、エイジング(加齢)について真面目に考え始めました。きっかけは先般のグリーフ講座で資料として使った竹内まりやさんの「人生の扉」という歌です。この歌は、歳を重ねるごとに衰えてゆく自分を感じながらもその味わいを愛する、というエイジ...

皆さん、新年あけましておめでとうございます。新しい年になりましたが、不況は相変わらずでデフレは加速し、政治も安定せず、なかなかよいニュースがありません。なんだかお先真っ暗、という感じですが、こんなときは見方を少し変えてみるとよいのかもしれません。最終回の今回は、昨年から私の心を捉えているある子ども文学についてお話します。本のタイトルは『大草原の小さな家』(Little House on the P...